第11章 ❄ 口喧嘩?、クッキー、最下位。
『あ、みどりやおかえり!席隣だね。怪我もう平気なの?』
「雪さん、あ、うん、リカバリーガールに治してもらったよ。」
そう言いながら机に目を向けた緑谷は、うわ 教科書多いなーと、遅れて皆と同じ反応をしている。
(みどりやがどもるのは初対面の時だけなのかな)
そういえば。
雪は緑谷に向けていた視線を少し横にずらす。
『ばくごう!みどりや怪我平気だって!!』
「あ''あ''!?」
「え!?え!?!?」
呼びかれられ振り向いた爆豪は、鬼の形相をしていた。
「どーでもいーわ!!!」
『2人は知り合いじゃないの?』
「あわわわわわわわ」
小さく首を捻る雪。
こちらを向きながらも器用に最後の教科書を鞄に入れ、ジャッ!と乱暴にチャックを閉める爆豪。
「てめぇに関係ねーだろーが!!」
『……………た………』
『確かに!』
「雪さん!!!!」
「クソ雑魚2人が俺に話しかけてんじゃねぇ!!」
『………!』
「!かっちゃん、そんな言い方『み、みどりやの方がボール投げばくごうより0.1メートル長かったし!!』
「雪さんーーー!?」
「んだとこらクソデク!」
「僕何も言ってない!!」
どんどん無自覚に爆豪の火に油を注ぐ雪。
緑谷は思いっきりそのとばっちりを受けている。
『ばくごう結構口喧嘩強いんだね!!』
「何の話だ!!」
「急にどうしたの!?」
(結構面白い)
雪の前、爆豪の右隣の席の耳郎は、3人には目を向けず、鞄に教科書をしまいながらそう思った。