第10章 ❄ 冗談じゃない!
ピピッ
「まず自分の【最大限】を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」
そう言って相澤は手元の機械に表示された数値を生徒達の方へ向ける。
[705.2m]
「なんだこれ!!すげー面白そう!」
「705mってマジかよ」
「''個性''思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」
わあっ!と声があがる中、雪は違うことを考えている。
(機械が測ってくれるなら距離の白線引いた意味…)
これは合理的ではないのでは?と心の中で相澤にツッコミをいれていた。
そんな生徒達を見て。
「……………」
相澤は少し機嫌を悪くする。
「面白そう…か。」
その威圧は湧いていた生徒達を一瞬で推し黙らせた。
「ヒーローになるための3年間 そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?」
ギロリと目を光らせる。
「よし、今年は21名だったな。切りも悪いことだし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し…」
「除籍処分としよう」
「生徒の如何は先生の''自由''」
「ようこそ、これが」
「雄英高校ヒーロー科だ。」