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絶対零度のさらに向こうへ❅*॰ॱ【ヒロアカ】

第8章 ❄️️ 入学前の時間






『…あ、ありがとうございます。』


そこにいたのは背が高めの男子。
くまのできた目と紫色の髪が印象的。

彼も少しびっくりしている様で、目をぱちぱちさせている。


「あー……危ない歩き方はしない方がいっすよ。」

言いながら横に目線を逸らして首の後ろを触る。








…………何となく、この人も1年生かなと思った。

『私、1年生。助けてくれてありがとう。転ばずに済んだ。』

微笑む程度の笑顔でそう言うと、首に当てた手はそのまま、彼は視線だけこちらに戻す。

「いや、いいよ。………俺も1年。」

(やっぱり!)

ぱっと笑顔になる少女。

『同級生だね。よろしく。』

「あ、ああ。」

少年は少し戸惑いながらも、握手しよう!という顔で差し出された手に応える。

その手を嬉しそうに上下させた少女は、手を離すと『あっ』と何かに気付き両手で口元を隠す。

『誰もいないと思って鼻歌歌ってたの、恥ずかしい。』

(そっち??)

転びそうになったことは恥ずかしくないのか、と心の中でツッコミを入れ、ふっと笑う少年。


「ま、運が悪かったな。これからは気をつけろよ。」

そう言い、立ち去ろうとする…


『うん。…あ、待って。私 雪。そっちはなんて呼べばいい?』


人数の多いこの学校で、お互いのクラスも知らないのに 今後また話すことが前提のような質問。






変なやつだな、と思いながらも立ち止まり、答える。

「心操。」

『うん。しんそう、またね!したっけ!』


にこにこと手を振る雪から視線を外し、歩き始める。






















(したっけってなんだ?方言か?)


男子寮へと歩を進めながら心操は、先程握手をした方の手を見る。


(…………冷てぇ手だな。)





それに、







(………軽……)

























少しだけ、どこの科なのか、気になる。


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