第7章 ❄ 投影されるあの日
《雪少女、君はあの0ポイントの巨大ギミック相手に1人、立ち向かおうとした。》
パッとオールマイトの背後に、映像が流れ始める。
《あれ倒したらきっと、合格間違いなしだよ!》
《HA!HA!HA! 説明は聞いていなかったのかな?だが、あの圧倒的驚異に1人で向かい打とうとするなんてね、嫌いじゃないよ!!そういうの!!》
『~~~っ!』
からかわれているのか、褒められているのか。
恥ずかしすぎるっ…!
実技試験での出来事は両親には詳しく話していない。
超巨大ロボットに向き合う娘を目にし、両親は口を開けてポカンとしている。
《そして君は周りの受験生数名を巻き込み、協力して見事アレをぶっ壊した!!くぅ~~~っ!熱かったね!!!!》
娘が巨大ロボット内部に侵入し、出てこないまま爆発し始める光景に、母は手で口元を抑え、顔を青くしている。
一方父は、おおおお~~っ!!と目を輝かせる。
(お母さん、ごめん……………)
《さあ!映像での振り返りは終わりだ!ここで1つ、伝えるべきことがある!》
(…?ここで?)
《先の入試!!!見ていたのは敵Pのみにあらず!!!ルールを誤認していたとはいえ、君は追い詰められた他の受験生達を救わんとしていたこともまた事実!!!》
『!!!』
《そしてその勇敢さは全くの他人をも動かし、僅かな時間で最善の策を練り、行動に移した!!誰がなんと言おうと、あの場で君は ヒーローだった!!》
目を見開く。
《人救けした人間を排斥しちまうヒーロー科などあってたまるかって話だよ!!!綺麗事!?上等さ!!命を賭して綺麗事実践するお仕事だ!!》
再び、熱くなる。目が。胸が。
《レスキューポイント!!しかも審査制!!我々雄英が見ていたもう1つの基礎能力!!》
「まさか………」
思わず立ち上がりそうになる父。
《雪零 40P!!! ついでに切島鋭児郎、芦戸三奈、蛙吹梅雨、それぞれ35P!!!》
息を飲む母。
《筆記も合わせて 文句無しの合格だ!!!》
《さぁ来い!!ここが君の ヒーローアカデミアだ!!!》