第7章 ❄ 投影されるあの日
「ついに来たな。」
「来たわね。零、覚悟はいい?」
『ううう~!』
「ワン!」
入試から1週間程経って届いた雄英高校からの封筒。
この紙の中に、娘の運命が入っている…
「あ、開けるぞ………」
娘と同じくらいに緊張し、封筒を開けようとする父。
「お父さんのじゃないんだから!零、ほら!」
母はそれを夫から奪い取り、娘へと手渡す。
『う、行くよ…』
恐る恐る、開けてみると…
『これは…?』
「小型投影機ね。お父さん、電気消して!」
「OK!」
部屋を暗くし、3人(と1匹)で壁の方を向いて座る。
『……付けるよ。』
ピッ、ウィィィィィィン……
《私が投影された!!!》
「「『!!!』」」
「バウッ!!」
『オールマイト!?』
「シロ、ちょっとだけ静かにしててくれ。」
投影機が最初に映し出したのは、あの NO.1ヒーロー オールマイトだった。
《突然の私の登場に驚いているだろう。''何故オールマイトが?''ってね!!それは他でもない、雄英で務めることになったからさ。》
『え~~~…』
かなりびっくり案件ではあるが、それよりもそれよりも大事なことがあるだろう、とあまりいいリアクションをとることができない。
《そんな私が!!発表しちゃうよ?雪少女、君の合否をね!》
ゴクリと唾を飲む。
父と母も緊張した様子で見守る。
《まず 君が実技試験で獲得したポイント数は25ポイント!!なかなか頑張ってたが、これでは平均値!合格圏内には入らない。》
『!!うう………』
当然だ。制限時間10分のうち、まともに動けていたのは5分程度。その後は0ポイントの敵相手にギミックとは知らず、手間取られ、挙句意識まで飛ばしてしまったのだ。
目が熱くなる。
父の手が背中に触れる。
「零…、お前は充分頑張っ「しっ!まだ分からない!最後まで聞こう。」
母が父の言葉を遮る。
(分からないだって?でも今…)
《だが!!!!》
オールマイトの大声にビクッと肩を揺らし、再度目を向ける。