第6章 ❄️️ 帰還まで
保健室へと戻ると、そこにはリカバリーガールの他に、2人の男性がいた。
「戻ってきたぜ!!クレイジーボーイにクレイジーガール!!」
「ひゃわ、ぷぷぷプレゼントマイク!」
(クレイジーガール…)
これは合格は絶望的かもしれない…
と ショックを受ける。
「君達の親には学校から連絡を入れてある。責任を持って車で送り届けるからね。」
もう1人は黒い服にボサボサの髪、気だるげな目をした男。
『よろしくお願いします。』
「お願いします!」
❄❄❄
緑谷はプレゼントマイク、雪は黒い方の教師に送ってもらうことになった。
『あの、先生…』
助手席に座らされ、気になっていることを聞こうと話しかける。
「なんだ?あ、ちょっと待って、ナビ設定するから」
『はい!すみません』
ナビの画面をポチポチしている教師を待つ間、少女はキョロキョロと視線を動かす。
そして、助手席と運転席の間にあるトレイに この教師の名刺が1枚、置いてあるのを見つけた。
(イレイザーヘッド、あいざわしょうた…)
こんな見た目でも ちゃんとしたヒーローらしい。
ということは、この人も雄英出身のエリートなのか。
「よし、行くか。それで、なんかいいかけた?」
運転を開始した相澤はチラリと少女を見て言う。
『はい。あの、私実技試験の途中から意識がなかったんです。その後、どうなったんでしょうか。』
(なるほど、そのくらいなら教えてやっても問題はないか。)
相澤はふっ、と息をひとつ吐き、話し始める。
「ロボットの中にまでカメラは設置していなかったからね、君がどのタイミングで気絶したのかは分からないが…」
《右方向です》
ナビに忠実に従いながら、続ける。
「君がロボットに侵入して少し経つとロボットの右腕部分が爆発した。その衝撃でその他の機能も停止し、完全に動かなくなった。」
(中心部分を壊したと思ったけど、全然ずれてたんだ…)
どこを壊しても0ポイントなのに変わりはないが。
そう思うと少女ははぁ~とため息をつき、項垂れる。
「 ……… 」