第18章 ❄️️ 名前
❄️❄️❄️
「行きてぇなら一人で行け。俺はあのワープゲートぶっ殺す!」
「はあ!!?」
倒壊ゾーン。近くにいた爆豪と切島は同じ場所に飛ばされる。
「この後に及んでそんなガキみてぇな…それにあいつに攻撃は…」
「うっせ!」
手早く敵を戦闘不能にした2人は、この後クラスメイトを助けに行くか、黒いモヤの男の元へ行くか揉めていた。
「敵の出入口だぞ。いざって時逃げ出せねぇよう元を締めとくんだよ!モヤの対策もねぇわけじゃねえ…!」
ガキみたいと、そう彼に言った切島は、初めて自分に対しまともに言葉を紡いでいると言っても過言ではない現状に少し驚き、口を噤む。
「つーか。」
ボンッッッ!!
後ろから不意打ちを仕掛けてきた男をいとも容易くねじ伏せながら、彼はこう続ける。
「生徒(おれら)に充てられたのがこんな三下なら大概大丈夫だろ。」
(すげえ…反応速度…)
「つーかそんな冷静な感じだっけ?おめぇ…」
「俺はいつでも冷静だクソ髪やろう!!」
「ああそっちだ」
そして2人は歩き始める。
「じゃあな、行っちまえ。」
「待て待て。ダチを信じる…!男らしいぜ爆豪!ノったよおめェに!」
❄️❄️❄️
中央広場。1人戦っていた相澤は、得体の知れない化け物のような生き物に、押さえつけられていた。
それを、水の中から。先程の作戦が上手くいき水難ゾーンの敵から逃れてきた緑谷、蛙水、峰田の3人が、怯えながら見つめる。
不意に、手を身体中にくっつけている男の元にあの、黒いモヤが現れた。
2人は何やら話しているが、''しがらきとむら''と呼ばれた男の様子が変だ。
3人はよく聞こえないが、耳を済ましながらその様子を伺う。
「今回はゲームオーバーだ。」
(…え?)
「帰ろっか。」
「……?帰る…?カエルっつったのか今??」
突然、そう言った死柄木。耳を疑う3人は互いに確認し合う。