第18章 ❄️️ 名前
「皆は!?いるか!?確認できるか!?」
USJ入口付近、咄嗟の判断と行動により辛うじて、ワープゲートがら逃れることの出来た生徒が数名いた。
隣にいた麗日と砂糖を担ぎ、個性''エンジン''によって素早くモヤから距離を置いた飯田は、残りの生徒達が無事か、同じく数名を庇った障子に確認を求める。
「散り散りにはなっているがこの施設内にいる。いいや…1人、足りないな。」
「他の生徒がいるなら1人だけいないことはきっとない、奥の雪害ゾーンの方は見えますか?」
13号も障子の視力を頼る。
「あそこまでは流石に見えませんが…数名の雪を踏む足音は聞こえる。」
「そこにいる可能性が高そうですね。」
(っこの最悪の状況を脱するためには…っ)
黒いモヤの男を警戒しながら13号が行動を始める。
「委員長!」
「は!!」
❄️️❄️❄️
「峰田ちゃん、本当にヒーロー志望で雄英来たの?」
「うっせー!!!」
水難ゾーン。船の上にいるのは、蛙水、峰田、そして緑谷。
「怖くない方がおかしいだろーがよ!!!ついこないだまで中学生だったんだぞ!!入学してすぐ殺されそうになるなんて誰が思うかよ!!ああせめて八百万のヤオヨロッパイに触れてから!!」
「【敵が勝利を確信した時が大きなチャンス】…昔情熱大陸でオールマイトが言ってたよ。」
蛙水と峰田の個性を聞き、緑谷は一つ、この状況を脱するための作戦を思いついていた。自信はないが…
「勝つには、これしかない…」
❄️❄️❄️
「こいつ…!移動してきた途端に…、本当にガキかよ…いっててて…」
山岳ゾーン。轟は地面に足を着けたと同時に、辺り一面氷の世界へと変える。
(オールマイトを殺す…初見じゃ精鋭を揃え数で圧倒するのかと思ったが…フタを開けてみりゃ生徒用のコマ…チンピラの寄せ集めじゃねーか。)
軽々と周囲の敵全員を行動不能にすると、彼は普段と変わらず、落ち着いた、冷静な…。
冷徹な態度で、探りを入れてゆく。