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絶対零度のさらに向こうへ❅*॰ॱ【ヒロアカ】

第17章 ❄ フラッシュバック






白い少女が尻もちをつくのを見て苦笑いをした時、集合が掛けられた。




周りが動きだすと心操も彼女から視線を外して、紫色の髪を揺らしながら駆け足でスタート地点の方へ向かう。



今行われているのはハードル走の授業だ。







全員が集まるとまた、笛の合図とともに5、6人ずつ順に走ってぴょんぴょんと飛び跳ねながら走ってゆく。


体育の授業は正直退屈だ。

運動神経はまぁいい方である。が、当然だが全体の平均より少し下くらいのレベルで授業はすすめられるため、彼にとっては難なくできることの説明やらコツやらの説明を長々と聞いていなければいけないのだ。




(ヒーロー科ならみんな運動神経いいんだろうな)


気だるげに、そう思いながら彼もスタートを切る。








順調に、1つ目、2つ目を越えていく。


隣を走る男子が自分より少し速い。それを意識して地面を蹴る足により力をこめる。




最後のハードルを越えようとした時、差はほぼ無くなっていたが、少しだけ先に、隣の彼の方が速く飛ぶ。




(くそ、追い越してやる…!)


そう思った時。




「うわっ」



ガシャッッ



隣のハードルが勢いよく自分のハードルの方へぶつかり、2つともゴール側へ倒れるように傾く。隣の彼が足を引っ掛けたらしい。


既に飛び始めていた心操は動揺し、慌てて着地する場所を探して足を付けるが、バランスを崩してしまった。





だが転ぶまいとなんとか踏ん張る。よろよろ、と3歩程大きく腕を広げながら体制を立て直した時には一緒に走っていた5人の中で最下位になっていた。





ゴールした後、隣の足をひっかけた男子に手を合わせてしきりに謝られるのを頭を掻きながらなだめて。見られてしまったかなと、視線だけ向けてみる。





















ヒーロー科の生徒達の姿はもうなかった。





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