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絶対零度のさらに向こうへ❅*॰ॱ【ヒロアカ】

第17章 ❄ フラッシュバック






その時の彼女の、嬉しそうな横顔を思い出したのは 今、グラウンドを見ている彼女が同じような表情で笑ったからだろう。





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あの後雨が強くなってきたにも関わらず屋内へ入ろうとしないのを見かね、窓を空け声をかけると 走り寄ってきた彼女は、手の中の物______殻の中に身を潜めたカタツムリをこちらに向けて言った。丁度、とどろきの名前を書いたところだと。

中庭にいるカタツムリが地元で見るカタツムリより大きかったらしく、物珍しさに観察していた時に思い付いたらしい。目印を付けておいて、また雨が降った時見に来るのだ。たくさんいるカタツムリ一つ一つに違う目印をつけるのに、クラスメイトの名前を勝手に使ったのバレちゃったね、と楽しそうに話すのを見ながら。突飛なことを考えるものだと関心したのか呆れたのか。

…雨が気にならない程カタツムリに夢中になってしまうものか、この歳で。風邪をひいてしまうからとにかく入れと理科室と中庭の出入り用の窓を開け腕を引っ張り連れ込んだ時、ようやく彼女はハッとして少し身震いをした。


彼女の着替えは中庭の向こうの体育館にある。

『したっけ、また明日ね。』


バイバイ…と言い終わらないうちに、くしゅんっと。小さくくしゃみをする少女。




「…雪、これ羽織ってけ。」

『え、でも濡れちゃう…』

「いい、明日返してくれ。じゃあな。」




自分のブレザーを脱ぐと彼女に羽織らせてやり、断ろうとするのを無視して一足先に理科室を後にした。









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彼女は、無邪気で。幼稚っぽくて、危うくて。


青い顔をした緑谷と麗日にブレザーの裾を掴まれながら窓から身を乗り出し、雲を指さしていたり。

上の方にある障子のコスチュームのスーツケースをとろうとして手を滑らせたり。(後ろにいた障子が腕を伸ばしてキャッチしたため彼女の頭へ直撃することは無かった)
















重い教科書を持って、転びそうになったり。




かと思えば周りをあっと驚かせるようなことをやってのけたり。



(目が離せねぇな…)



半身を隠したコスチュームの少年は少し、目を細める。


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