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絶対零度のさらに向こうへ❅*॰ॱ【ヒロアカ】

第17章 ❄ フラッシュバック




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例えば先週、雨が降っていた日の放課後。


轟は日直で 帰る前に、クラスメイトの提出物を集め2階の職員室まで届けに来ていた。





相澤のデスクは奥の方の窓際にあり、提出物を届け際にちらりと中庭の方を見た時、彼女がいるのに気が付いた。

ジャージ姿の彼女は雨が降っているというのに、傘もささずにしゃがみこんで 花壇に並ぶ植物をじっ、と見つめている。



中庭を挟んだ職員室の向こうは小体育館だ。中庭と繋がる扉が空いているのを見るに、そこから出てきたのだろうと推測できる。

が、彼女が何をしていようと大して興味も無いため直ぐに教室へ戻ろうという頭になり、職員室を後にする。






帰りの支度をしようと鞄を開けて教科書をしまい始めた時には彼女のことはさっぱり頭から消えていた。






























(…理科室か。)



6限目に使用した教室に忘れ物をしたと気がつき、一人溜息をつく。もし、エリート校だ、古今無双だと持て囃される雄英の悪いところは何かと問われたならば、敷地や校舎の大きさだと答えるだろう。

とにかく広すぎる。そのせいで移動教室が面倒臭い。




理科室は職員室の下の階だ。

先程とほとんど同じ道のりを歩き理科室へと到着し、無事忘れ物を回収する。そしてまた、無意識に窓の外に視線を向けると…















彼女。雪がまだ、そこにいた。今は中央部分の花壇を前にしゃがみこんでいるのだが、その体勢の彼女の目線よりも少し高いところの葉に手を伸ばしている。


普段あまり他人に興味を示すことの無い轟だが、流石に彼女が何をしているのかが気になり、窓際に近づいて様子を伺うことにした。







伸ばした手を戻し 何か取ったのだろうか、手の中にある物をジャージの袖で拭くように(彼女のジャージが他の生徒と違って長袖なのは個性の特性上体が冷えやすいからだろう)もう片方の手を動かしている。


そしてポケットから取りだしたのは油性ペンで、キャップを外すとその手の中の物に何かを書いているようだった。




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