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絶対零度のさらに向こうへ❅*॰ॱ【ヒロアカ】

第17章 ❄ フラッシュバック





相澤が高く掲げたのは【RESCUE】と書かれたカード。


退廃的な身なりの彼に似合わない極彩色な文字列。恐らく作ったのはオールマイトかプレゼントマイク辺りだろう。



「レスキュー…今回も大変そうだな」

「ねー!」

「バカおめー、これこそヒーローの本分だぜ!?なるぜ!!腕が!!」

「水難なら私の独壇場。ケロケロ」


相澤の言葉でざわざわと盛り上がった生徒達だが、同じく相澤の「まだ途中」という苛立ちを含む言葉と鋭い睨みで直ぐに静まり返る。



「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。」


そう言いながら相澤が手元のリモコンを壁に向けボタンを押すと、ガゴゴ…と音を立て全員のスーツケースが現れる。


「訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。」


以上、準備開始。と言い残し相澤が教室を出ていくと、生徒達も席を立ち各々のスーツケースを取り更衣室へ移動を始めた。




小さく溜息をつきながら雪も自分のスーツケースを手に取る。


(戦闘訓練じゃないから試せないや。)























❄️❄️❄️







コスチュームに着替えて外に出ると、少し遠くの方に小さめのバスが見えた。


先に着替え終わった何人かがバスの前で待っている。それに気付いた雪は自然と少し駆け足になる。



走りながら、ふと横をみると、大きなグラウンド。体育の授業を受けているクラスがある。



何をしているのかと気になり見ていると、不意に、こちらを振り向いた男子生徒。あ、と思うと同時。彼もこちらに気が付いたようで。お、と目をぱちくりさせる。


(しんそう…!)


笑顔で手を振ると、彼も一呼吸置いて、控えめに片手をあげる。
















が、次の瞬間慌てたような表情で雪の進行方向と同じ方向に指を差し、くいっ、くいっと動かす。



(え…?)



その指につられて彼女が前を向いたと同時に。


『あぅっ』


どん、と何かにぶつかり、反動で後ろへよろけ、ポスンと尻もちを着いてしまった。







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