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絶対零度のさらに向こうへ❅*॰ॱ【ヒロアカ】

第16章 ❄️ 風





少年が渦巻く桜と雪の世界に見とれているうち、その世界は段々と広がってゆき、ついには少年を飲み込んだ。






























…が。













小さく冷たい雪が少年の頬を掠った瞬間、ぴたりと風がやむ。



そして舞い上がっていた無数の桜の花びらと雪が、ひらひら、ゆっくりと落ちてゆく中、少年の視線の先にいた少女が ぱっと振り返った。












『しんそう!』



















舞い落ちる淡いピンクの桜に似合う明るい笑顔を見せ、少年に駆け寄る白い少女。

くるくると回転していた槍も消えている。




『一昨日ぶりだね。ここ、知ってたんだ!いいよね!』

「………あ、ああ。」



その一昨日、きつい態度を取ってしまったことを彼女は気にしていないらしい。少年はいつもは半開き程の気だるげな目を、今は大きく見開き、近すぎないか言いたくなる少女との距離に一歩後ずさる。



「お、お前の個性、雪?出すの?」


目線を横にずらす。



『あ、うん。出すっていうか、空気中の水蒸気を昇華させてるんだ。』


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