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絶対零度のさらに向こうへ❅*॰ॱ【ヒロアカ】

第14章 ❄️ 知りたい





教室へ着くと懐中電灯を持って入ってゆく雪。



相澤は教室の外で壁にもたれかかる。



ズズッと椅子を引く音と、ガチャッと机にしまう音が聞こえ、これで帰れるぞ、と壁預けた体を持ち上げる。



しかし出てこない。



「………………雪……」

そう呼びかけながら教室を覗いた時………





















『ばあ!』

「…………………」



懐中電灯で下から自分の顔を照らしながら大声を出す少女。


『えへへ、びっくりしましたか?』

「…………雪お前、いい度胸してるじゃないか。」












ピキっと青筋を立てる相澤。


『あ』



これはやばい、と気が付いた憐れな少女は少し後ずさる。

しかし前進して来た相澤に片方の肩を掴まれ足は止まる。











『えっと』


足は止まらず無言でどんどん教室の奥へと進む相澤。


『あいざわ先生、あの、すみませんでしっ』



た、と言い終わるころには壁に背中がとん、と付く。


『先生…、あっ!』


懐中電灯は取り上げられ、教室は真っ暗に。














「教師をおちょくるな。」

『っひゃ…』

暗くて見えないが、耳元、すぐ近くで声が聞こえる。

『ご、ごめんなさ「それから。」



雪の言葉を遮った相澤は顔を離し、肩を掴んでいない方の手で。




























『あいでっ』

「学校に来る時は制服だ。私服禁止。入学前とは別だ。」

『うぅ、はい……ごめんなさい。』



デコピンされた。親にもぶたれたことないのに。


ううーと目をばってんにしておでこを抑える雪から離れた相澤はスタスタと教室を出てゆく。


『……!!待ってください!』


近くの机に置かれた懐中電灯を手に取り後を追いかける雪。
















「じゃあまた明日。もう忘れ物するな。しても下校時間過ぎたら諦めろ。」

『はい。すみませんでした。さようなら。』



挨拶をして走って帰る背中を見送る。

暗い中、寮まで送り届けるべきなのだろうが、何しろ、余裕がないのだ。



「…………何やってんだ俺は。」


そうつぶやき駐車場へ向かう。







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