第14章 ❄️ 知りたい
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夜遅く、職員室で自分の生徒達の、初めての戦闘訓練の様子をパソコンに映している相澤。手元にはオールマイトによって書かれた成績表。各基準の5段階評価と、メモが走り書きされている。
その映像と成績表を照らし合わせながら全てチェックする。
(緑谷と爆豪は論外だが、他はまぁ、初めてにしちゃこんなもんか…)
第五戦目まで見終わった相澤はローラー付きの椅子を少し机から離し、ぐーっと伸びをする。
力を抜きだらんっと腕を下ろすと、今度は大きな欠伸。
時計を見ると時刻は10時を過ぎている。
いつも机上に出しっぱなしにしている目薬を掴んで両目に垂らし、椅子に座り直すと最後の映像、第六戦目の映像を再生する。
雪と、選ばれたのは轟、八百万、常闇。
オールマイトが記録した成績表を見ると、勝ったのは敵チーム、雪と常闇の方だ。
(…まぐれか、実力か…………)
その答えは映像を見終われば明らかだった。
先に全員の様子を見て【完全記録】で思い出せたからと言ったって、メンバーが発表されてから5分足らずでここまで完璧な作戦を思いつくとは。
他3人が違う面子であればまた、違う作戦を考えたに違いない。そこまで分かるほど、一つ一つの行動がぴったりと理にかなっているのだ。
実技試験の時もそうだ。あれもまぐれではなく、【完全記録】を活用しての結果だったのだろう。
彼女の実力は本物だ。
加えて【昇華】の方も、かなり上手い使い方をする。
その場では目が届かない場所まで、ビル内全域に個性を及ばせ結晶を形成できる繊細さ。そして空間認識能力。
結晶を壊させることで居場所を見破る。こんな使い方もできるのか、と感心する。
八百万や轟との戦闘で見せた集中力に反射神経もなかなか優秀だ。
(足りない部分は攻撃力か…)
戦闘力、評価は下から2番目のD。
彼女は予め対策を立てれば強いタイプ。仲間と敵の個性を考慮し単純に力だけではどうにもならない部分を補うことが可能だ。
しかし逆を言えば、1人で敵と遭遇し、戦闘となった時勝利できる確率は今のままではかなり低いだろう。