第14章 ❄️ 知りたい
パッと振り返った少女は、一瞬、真剣そうな目をしたが、にっこりと笑って。
『みどりや、面白いね!』
「…………えっと?」
な、何が?と問うと、雪はくすっとして首を傾げる。
『個性は皆親から授かるものだよ。みどりやだけじゃないよ!じゃ!』
一旦教室もどるーっと言って校舎の中へ入ってゆく。
(…………………助かった……違う解釈をしてくれたみたい?)
再びふーーっと息を吐く。
「あ!緑谷少年!何を話していたんだい!?」
(オールマイト、すみません…でも雪さんは大丈夫そうだったし、かっちゃんも人にそういうの話したりしないし…)
歩いて教室へ戻る雪。
(人から授かった…だから……………)
上手く扱えないのは最近、個性を得たからなのだろう。そんなことができるのか。いや、そういう個性があったっておかしくない。
(まぁ、詮索されたくなさそうだったしいいか)
『いいな。私にも、あんな力があったら…』
そう呟くが、いやいやと頭を振る。
(私は私の個性を伸ばそう。)
切島は轟と自分の個性が似てると言ったが、どちらかと言えば似てるのは八百万の方だ。
轟は炎や熱、氷を生み出すことが出来る。
しかし自分は空気中の水蒸気を集めて、急激な冷たい温度を加えながら雪を形成するのだ。
それを飛ばしたり、感じ取ったり、強度を調整したりと操ることはできる。意識を外せば、溶けるのではなく、消える。目に見えない水蒸気に戻る。始まりも終わりも、昇華させるだけだ。
なんでも作れる八百万に対し、自分は雪の結晶ただ一種のみだが頭でイメージするというメカニズムは同じだろう。
ぼんやり考えながら教室に着くと、残っていた生徒達の視線を集める。
「雪くん、爆豪くんとは話せたのか!」
皆の疑問を飯田が真っ先に口にする。
『うん、話せた!』
(((コミュ力おばけだ…!!)))