第14章 ❄️ 知りたい
突然の雪の言葉に唖然とする。
(今こいつなんつった。間違いだろーが、かっこわりぃの…)
『こう言ったらみどりやには悪いけど、ばくごうの圧倒的な強さ、というか、センス、というか…っ!とにかく凄かった!かっこよかった!!それで私、ばくごうのこと知りたくてね…』
(圧倒的…デクよりも…………)
そんなの。
「ったりめーだわ!!バカにしてんのか白髪!!」
『し、白髪!?いや、これは老化によるものではなくそれこそ個性というかお父さんも元々白いので…』
わし、と頭を掴まれて言われた言葉に初めて動揺する雪。
それを面白く思った爆豪はにやりとして追い打ちをかける。
「はっ、今からそんなんじゃあ3年後にゃハゲだな。かわいそうに。」
『は、はげないし!!!』
傍から見たらただのいじめだ。
雪は必死に腕を振るが、頭を掴まれ押さえられてるため届かない。
『私の名前は雪零です~!!』
「聞こえねーな!!」
そうこう言い合っていた時。
「かっちゃん!!!」
2人の動きがピタリと止まる。
「ああ?」
爆豪は再び暗い雰囲気を纏い振り向く。そして、睨みつける。
『…………』
雪は口を閉じ、2人を見守ることにする。
「これだけは君には、言わなきゃいけないと思って…!」
緑谷の秘密。
「人から授かった''個性''なんだ」
『…!』
「誰からかは絶対言えない!言わない…でも、コミックみたいな話だけど本当で…!」
「…!?」
「おまけにまだろくに扱えもしなくて………全然モノに出来てない状態の''借り物''で……!」
緑谷は顔をしかめて下を向く。
「だから…使わず君に勝とうとした!けど結局勝てなくてソレに頼った!」
爆豪の眉がピクリと動く。
緑谷はパッと顔を上げ、爆豪と目を合わせる。
「いつかちゃんと自分のモノにして、''僕の力''で君を超えるよ。」