第14章 ❄️ 知りたい
「おい爆豪!緑谷待たねーのかよ!」
帰りのホームルームを終えたが生徒達は、保健室から緑谷が戻ってくるのを待とうと教室に残っている。
彼を保健室送りにした張本人に声をかけるのは切島。しかし。
「……………」
目も合わせず帰ろうとする。
「え、お見舞い行こーよ爆豪くん。」
「そーそー!何怒ってるか知らないけど仲直りしなよー!」
麗日と芦戸も止めようとするが。
「あーあ、行っちゃったな。」
「まぁ、爆豪ちゃんはああいうタイプよね。」
砂糖と蛙吹もその後ろ姿を見て諦める。
『私ばくごう追いかける!』
爆豪が出ていきピシャンッと閉められた扉をガラガラッと勢いよく開け、追いかけて行った少女。
『ばくごー!』
「昨日から思ってたけど、雪ってコミュ力おばけだよね。」
「それなー」
『ばくごうおつかれ!』
「…。」
爆豪に追いついた雪は隣に並び、顔を見上げる。
しかしイライラした様子の彼は言葉にも、視線にも無視を決め込んでいる。
『みどりや、大丈夫かな?』
「…」
『喧嘩してるみたいに見えたけど。』
「…」
『ばくごう、どうして怒ってたの?』
「………………」
『そういえば2人は幼なじみなんだってね!』
「………………………」
『私の地元田舎で、近くに同じくらいの年の子いなかったから羨ましいなって思ってて、』
「………………………………おい…」
『あ!私ばくごうに言いたいことあるんだった!』
「てめェ空気読めや!!鬱陶しいわ!!着いてきてんじゃねェ!!」
生徒玄関を出ても1人でべらべらと喋りながら着いてくる雪にとうとうしびれを切らし爆豪は、昨日と同じように目を細長い逆三角形にして怒鳴りつける。
『ばくごう!』
「聞いてんのか!!」
怒鳴られようが睨まれようが動じない雪は微笑んだ。
『ばくごう、かっこよかったよ。』
「………………………あ?」