第8章 幾望
「わああっ…冷たっ…」
「あああ…」
バスローブの襟のとこにびっしょりとジュースが染み込んで。
「もお…翔…」
「ちょっと動くな」
ピタッと俺の肩を押さえて。
翔の顔が近づいてきた。
「え…?」
べろりと胸元を舐められて。
「ひゃっ…」
舌先が、つつっと首筋を辿って。また戻ってきた。
濡れた胸元を、軽く吸うように翔の唇が吸い付いた。
「しょ…う…」
鳥肌が立った。
気持ちよくて…
「…ん…?」
「…まだ…濡れてるみたい…」
「ん」
バスローブの合わせ目を顔でこじ開けるみたいに、翔の顔が入ってきて。
胸に温かい息が吹きかけられる。
「ん…」
それだけでなんか気持ちよくて。
思わず翔のむき出しの肩を掴んだ。
翔の肩、凄く熱くなってて。
手に感じる翔の体温が気持ちよかった。
開けたカーテンの間から、ぼんやりと光りが入ってくる。
半月は窓からは見えないけど…どこかから、照らしてるんだ…
俺を…俺たちを…
「月が…見てる…」
思わず呟いたら、翔は顔を上げて。
「じゃ…見せてやろ…」
「…え?」
にやりと笑うと、バスローブの襟を持ってずるりと脱がされた。