第8章 幾望
ここ数日、仕事に追われてて。
そりゃそうだ…先週あまり仕事にならなかったんだから…
中間テスト作成やら何やら、もう目が回るほど忙しかった。
やっとなんとか一段落ついたから、放課後に相葉先生にお礼がてらのろけ話を聞かせてやろうと、保健室に訪ねて来たのに…
逆に俺が尋問されそうになった。
「いや、これから英研の部活みてやんないといけないんで…」
「しゃーらっぷ!!おすわり!」
「わん」
それから尋問のように矢継ぎ早に質問が飛んできて。
適当に躱してるんだけど、相葉先生は止まらなかった。
「…いい加減にしてよ…」
「あの後そんな展開になってたなんて…なんで俺を立ち会わせないんだっ」
「立ち会わせるわけないだろお!?」
「なんだとおおお~!?」
首を絞められた。
「ぐぇぇぇぇぇ…」
「俺がいなかったらくっつかなかったくせにぃぃぃ~」
「あの~…」
いつの間にか、ミーティングルームのドアが開いていた。
そこには、五関が立っていた。
「あっ…五関くん!」
やっと相葉先生の手が離れていった。
「ぐあ…」
「って、あれ?」
相葉先生の声に、もう一度ドアの方をみると…
「カズヤに大野くんまで」
「あの…今、大丈夫ですか…?」
五関が恐る恐る尋ねてきた。
仁科はゲラゲラ笑ってるし、大野はどうしていいんだかわかんないって顔してる。
「もちろん!どうぞどうぞ」
ミーティングルームには丸いテーブルがあって、それを囲むように椅子がおいてある。
各々席につくと、相葉先生はお茶を淹れてくれた。