第7章 繊月
「先生…」
「ん…?」
大野の手が、俺の頭を撫でた。
「たんこぶ、痛くない…?」
「うん…大丈夫…」
「額の傷は…?」
「さっき、相葉先生に消毒してもらったから大丈夫」
「そっか…」
そのまま大野は、キスをねだるでもなく。
俺の髪を撫で続けた。
気持ちよくて…
「大野は…?」
「え?」
「どっか、痛いとこないか…?」
「うん…大丈夫だよ…和也さん、ちゃんと解してくれたし」
「……?」
なんのこと…
「あっ…!!」
いっぺんに目が覚めた。
がばっと起き上がると、大野の肩を掴んだ。
「だ、大丈夫なんだな!?」
「え…?うん…ちゃんとローション使って、なんかずっとケツの穴グリグリされたから、ちんこ挿れられてもそんなに痛くなかったよ?」
「お、おお…」
ショック…受けてないのか…?
レイプされたのに…
「大野…大丈夫なのか…?本当に…」
「うん…」
少し顔を赤くして…
大野は微笑んだ。
「あん時は…殺してくれって思ったけどさ…」
ぎゅっと俺のシャツをまた、掴んだ。
「今、しあわせだから…もう、いいや…」
そう言って…本当に幸せそうに…
笑うんだ…
ああ…もう…
「せんせ…」
「黙ってろ」