第7章 繊月
ご飯を食べたら、相葉先生がお茶を出してくれた。
大豆を炒ったもので淹れたお茶とかで、カフェインとか入ってないからね~って先生はニコニコしてた。
櫻井先生もお腹壊してるとかで、同じお茶が出た。
ふたりで、何を話すでもなく。
お茶を飲んだ。
さっき雑炊を食べて暑いはずなのに、なんだか温かくて染み渡る。
外はきらきらといい天気で。
太陽の光が眩しくて、明るくて。
静かだった。
相葉先生が後片付けをして、戻ってきて櫻井先生の隣に座った。
手にはペットボトルの水を持ってる。
動いてるから暑くなっちゃったんだって。
「相葉先生」
「ん?」
「大野にこれまでのこと、話してやろうと思うんですけど…」
「ああ…あんまり記憶がはっきりしてないんだ?」
そういって、先生は俺の顔を見た。
頷くと、うんうんと相葉先生も頷いて。
「そうだよね。急に俺みたいな保健の先生とか出てきて、びっくりしたでしょ?ちゃんと話そうか」
「…お願いします…」
そう言って頭を下げたら、また相葉先生は頷いてくれた。
「何から話せばいいかな…まず、カズヤが五関くん助けたとこ?」
「あ、そうですね…そこから…」
「五関って…?」
「いじめられてた3年生だよ。大野に助けられたことがあるって、五関言ってたぞ」