第7章 繊月
side O
せんせーのくちびる、柔らかい…
気持ちよくて、動かない先生の体を更に引き寄せて、もう一回キスしてみた。
でも立ってるのが辛くて…
もっとキスしていたかったけど、体を離した。
「…お…」
「え?」
なんかうめき声みたいな声がしたから、顔を上げたら。
先生、真っ赤な顔してて。
…かわいい…
もう一回、目を閉じてちゅってキスした。
そのままじっと顔を見てたら、先生はずっと真っ赤な顔をしたまま、固まってて。
…もしかして童貞なのかな…
なんて思ってたら、口をパクパクし始めた。
「…おの…おお…の…」
「はい?」
「おま…おまえ…」
「はい」
「き…キス…」
嫌じゃないって、さっきも言ってたけど…
「嫌だった?」
「い…嫌じゃないっ…」
でも、そう言ったのに両手で口を覆ってしまった。
そのはずみで、メガネがずれちゃってる。
かわいいなぁ…
「もうしちゃだめなの?」
「だめっ…」
「なんで?」
「あ…相葉先生がいるからっ…」
「そっか」
じゃあ、帰ったらキスしても良いんだよな。
「先生、トイレ行く」
「あ、え?あ…うん…」
ぎこちない動きで、俺の体を支えてくれた。
スタンドも動かしてくれて、なんとかトイレに行くことはできた。