第7章 繊月
「ううう…」
尻の穴からなんか出てきそうだ…
昨日…あんな…
「あっ…」
「ん?どうかしたかね?」
「い、いえ…」
もしかして…中出しされたから…なのか…?
「あ、あのお腹出して寝てたから、じゃ、ないかな~?」
「ん?そうなのか?」
先生はドクターバッグから、整腸剤と痛み止めを出してくれた。
「なら、これを飲んで様子を見ておきなさい」
「はい……」
言えない…絶対に言えない…
中出しされたからかもなんて…
「それと、昨日からの治療は、君の治療ということにしておくから…ご実家への請求名目はそれでいいかね?」
「あ、その分は僕が支払いますが…」
「請求書が手間でな。ご実家の方でも良いか?」
「あ、はい。ではそれでお願いします」
「すまんな、耄碌じじいなもんでな」
「いえいえ」
請求などの医療事務は、外注にしているから連絡が面倒なんだろう。
コーヒーを飲み終わると、先生は立ち上がった。
「では、私はこれで。あとはがんばんなさいよ、櫻井先生」
「はい!本当に今回は…ありがとうございました!」
笹野先生は、キッチンで飯を作っている相葉先生にも手を振って、颯爽と帰っていかれた。