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裸の月【気象系BL】

第6章 幻月


ざわざわと下半身から快感が昇ってくる。

ああ…さっきの和也さんもそうだったのかな。
だから我慢できなくて、俺に擦りつけてたのかな。

だって、こんなに気持ちいい…

これ、クスリのせい…?

「もっと…先生もっと…」

水面が波立つほど、先生の手の動きは激しいのに、もっと欲しくて。
もっともっと気持ちよくなりたい。

「あっ…はぁっ…あああっ…」

気持ちよくて、たまらなくて。
先生にしがみついてる腕に力が入った。


なんで…先生がすると気持ちいいの…?
なんで和也さんじゃだめだったの…?

先生の笑った顔
先生の怒った顔

先生の泣きそうな顔
先生の心配そうな顔

全部…頭の中に蘇ってくる。

その全部が、あったかくて
先生なら…先生になら全部言えるかもって

先生しか…いないって…
俺のこと、わかってくれるのは
先生だけ


なのに


先生の…俺を疑う目…



ねえ
本当は、まだ…




「大野…?」

不安げな先生の声が聞こえて…
顔を上げたら、泣きそうな顔をして俺を見てる。

「…なんで…?」
「え?」
「なんでそんな目で俺を見るんだよ」

俺じゃないよ
母さんがやったんだよ

「俺がやったと思ってるんだろ…!?」
「大野…?どうした?落ち着け…」
「俺じゃないっ…母さんがっ…あの部屋は母さんがっ…」
「大野っ…わかってる!わかってるからっ…」
「じゃあなんであんな目で俺のこと見たんだよ…」

俺がやったと思ってるんだ
母さんに暴力を振るったって思ってるんだ

「すまなかった…大野、おまえがやったことじゃないって…先生…」
「嘘だっ…嘘だ嘘だっ…」

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