• テキストサイズ

裸の月【気象系BL】

第6章 幻月


やっぱり…
相葉先生と仁科の言うとおりだった。



老医師が帰って、一時間ほど経った頃。
やっと相葉先生から連絡があった。
大野の荷物があるから、うちに来るという。

住所を教えて、タクシーで来た彼らは疲れ切っていた。

荷物を受け取って、とりあえずリビングに通して休んでもらった。
大野は眠っていたから、インスタントだがコーヒを出した。

「大野くんの様子は…?」
「今は汗をかいて…少し苦しそうです」
「そうかあ…」

ずずっとコーヒーを啜ると、一息ついてから相葉先生は話しだした。

「あの先輩ね、ラリっちゃってて…話にならなくてね。あの身長のおっきな子にずっと怒っててさ」
「あの長瀬って人ですか」
「そう。長瀬くんのほうも、何度かああいうことやったのを止めた事があるらしくて、そりゃ怒ってて…殴り合いとまではいかなかったけど、すごかったよ…」

仁科はソファの上で膝を抱えて、じっとしてる。

「仁科…疲れたか?」
「ううん…大丈夫なんだけど…」

ちらっと相葉先生の方を見た。

「ああ…そっか。言わなきゃね…」

相葉先生はマグカップを置いて、俺の方に向き直った。

「大野くん、ドラッグ飲まされてる」

/ 330ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp