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裸の月【気象系BL】

第6章 幻月


松濤の少し坂になっている住宅街の、その先。
ぐるりと高い塀に囲まれた家は要塞のようだった。

「すげえ…家…」
「裏口から行くから…」

松本のお父さんには車で待機してもらって、総勢4人で中に入ることになった。
裏口のセキュリティーを、松本はいとも簡単に開けて。
中に入ると、広大な庭が見えた。
母屋はビルみたいだ。

「俺…部屋の鍵持ってなくて…中から開けてもらわないと、どうしようもないんだ…」
「そっか…」

仁科と松本が先頭を歩きながら、喋っている。

「誰か来てたらいいんだけど…」

相葉先生は物珍しそうにキョロキョロしながら歩いている。

「お金持ちすげー…」

なんてブツブツ言ってる。

見た感じ…すごい金持ちで…
これはヤクザとかそういう類の家じゃないなとは思った。
ヤクザの家ならもっとセキュリティーが固いはずだし。
家とは桁外れの金持ちっていうのしか、わからなかった。

「さっきまでここ居たんだ…俺…」
「えっ…」
「だけど家から呼び出されたから…」
「智どんなだったの?」
「…やられてっかも…和也さんに…」
「あちゃー…」

や、やられてるだと!?

「ちょ、まつも…」
「ヤラれるって、その子女の子なの!?」

相葉先生がびっくりして叫ぶように言った。

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