第6章 幻月
「あいつら同じクラスになったことあったっけ…?」
なんて仁科が言ってるから、マル秘封筒を取り出した。
「相葉先生…これ、澄岡さんから…」
「あ、もう来たんだ。早かったね」
「もしかして澄岡さん、中等部に忍び込んで…」
「早く見せてよ~」
「相葉先生…」
「ん?なに?」
「いえ…なんでも…」
絶対、合法的な手段で手に入れていないのは、わかった。
マル秘封筒から、先程のコピーを取り出した。
澄岡さんがマークしておいてくれたクラス写真を仁科に見せると、頷いた。
「そう。俺が知ってる松本は、こいつ」
「俺が渋谷で大野と歩いているところを見たのもこいつだ」
「…じゃあ、一緒にいる可能性あるね…」
相葉先生が言って、仁科の顔を見たが答えなかった。
じっとコピーに見入ってる。
「…仁科…?」
「あの…松本に連絡してみるから…」
「え?うん…」
すごく険しい顔をしている。
「カズヤ、その前にハンバーガー食べな。これから時間かかるかも知れないから」
相葉先生が、仁科の手にハンバーガーを持たせた。
「それどころじゃないでしょ!」
「良いから食え!発育不良児!」
「もがあ…」
口にハンバーガーをねじ込まれて、渋々仁科は食べた。
相葉先生怖い。