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裸の月【気象系BL】

第6章 幻月


「ああっ…」

ぎゅっと握られた瞬間、背中から脳みそに電気が走ったみたいに、痺れた。

なにこれ?

「ほら…気持ちいいだろ…?」

和也さんの手が、ゆっくりと俺を扱き出した。

「まってっ…あっ…あっ…やっ…」

すんごい気持ちよくて。
なんで?自分で触ってもこんなに気持ちいいことないのに。

なんで
なんで

「すげ…ケツ穴締まった…」

誂うようにつぶやいたかと思うと、俺の中に入ってる指が激しく動き出した。

「やーっ…やめてっ…やだっ…怖いっ怖いっ…」

体を揺さぶるように、和也さんの手が前と後ろで動いてて。
わけがわからないほどの快感で。
怖くなった。

俺のからだ、おかしい
怖い

「そのまんま気持ちよくなれよ…?な…?」

ぼそりと和也さんの低い声が耳元で聞こえる。

「すげえ智かわいい…」

脳みそが沸騰してんのかと思うほど、頭がぐるぐる回って。
視界が歪む。
酒のせい…?なんのせい…?

目を閉じても、和也さんの指からの快感は止まらなくて。
どんどん、皮膚が敏感になっていくみたいに感じる。

「やだぁあ…やだぁ…っ…怖…怖い…」
「怖くねえって…これがセックスだろお…?」

知らない
知らないもん

セックスはもっと…こんなんじゃない…


櫻井先生の腕のぬくもりを思い出した。
もう、あの日が遠い昔に思える。

英語研究室で、泣いてる俺にシャツで涙を拭けって…

抱きしめてくれた…あの先生の温かい腕


人と人が…抱き合って…
体をくっつけたら…


ああいう風に、あったかくなるんじゃないの…?
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