第5章 朔
メールを見ながらため息を付いていると、背後に人の気配がした。
「んなっ!?」
「こんばんは。澄岡です」
「す…澄岡さん…」
もう職員室はガラガラで。
半分以上の職員は帰っていた。
俺も速攻帰りたかったが、昨日の午後は仕事にならなかったからまだ片付けることが残っていた。
澄岡さんはもう帰っていたはずだが…私服でなぜか後ろに立っていた。
THE事務員の姿ではなく、フリフリのワンピにフリフリのシャツ…どういうセンスなんだ…髪もツインテでフリフリのついたゴムで縛っている。
「な、なんでしょう…?」
「これ…」
マル秘とはんこが押してあるA4の茶封筒を渡された。
「お取り扱いには注意を」
「へ…?」
「相葉先生よりご依頼の品です。櫻井先生に提出するようにとの指示でしたので」
「な、なんだろう…」
茶封筒を開けて、中を見てみるとコピー用紙が入っていた。
それを出して見てみたら…
「あっ…これは…」
驚いた。
聖華学園中等部の卒業アルバムのコピーだった。
「澄岡さんっ…これっ…って、あれ…?」
澄岡さんの姿はもうどこにもなかった。
「…忍者…?」
それは、大野の学年のもので。
蛍光ペンでマーカーしてあるのは、松本潤という生徒。
「助かります…ありがとうございます!」
居ないけど、お礼を言ってみた。
だって澄岡さん、どっかから見てそうなんだもん…