第5章 朔
さらにクラス写真のコピーも入っていた。
そこにも一人の生徒に蛍光ペンでマーカーがしてある。
白黒だからあまり鮮明ではないが、この濃い顔は間違いない。松本潤だ。
渋谷で大野と歩いていた、アイツだ。
大野と…そして、仁科もマーカーされていた。
「あっ…仁科…そうか、仁科も知ってるかもしれない」
今、渋谷で捜索をしてくれているであろう仁科と相葉先生にすぐにでも連絡しようと思ったが、あとで直接会って話したほうがいいと判断した。
大急ぎで金曜日なので週報などをまとめ、メールで学年主任に投げて。
やっと今週の業務に目処がついたところで、学校を飛び出した。
まだ中島先生が残っているのが気がかりだったが、3年の学年主任がついていたから大丈夫だろう。
学校を飛び出して、駅に向かって走っているとだんだん気持ちがすっきりとしてきた。
土曜日曜は完全にオフにしたから、大野を探すことに専念できる。
学校にいると、五関のことやクラスの生徒達のこと、自分の業務のことでいっぱいいっぱいになるが…
もうそれは、申し訳ないのだけれども、一旦置かせてもらう。
「大野おおおお…絶対みつけてやるうううう…!!!」
JRの駅に向かいながら唸る俺は、相当変態に見えたはずだが気にしない。