第5章 朔
「じゃあ、今日の放課後から捜査を始めるよ…」
「そうだね。カズヤはでも夜8時までね」
「えー!23時までいいでしょお!?」
「だーめ。怪我してんだから…」
「ぶう…」
俺は…今日の放課後にも会議あるかもしれないなあ…
特進の3人と五関の問題は、今日の午前だけで片がつくとは思えなかった。
そんなことをグダグダと言っていたら、2限終わりのチャイムが鳴った。
「あ、やべ。3限授業あるわ…」
「じゃあ、放課後の巡回については俺とカズヤでやるから、ね?」
「そうそう。あと、大野のお父さんから連絡あったら、それ回してね?先生」
「わかった。今日はそういう形でお願いします。俺も、会議から離脱できたらすぐに向かいますんで。仁科、あとでカリキュラム持ってくるから、それやるんだぞ」
「はぁい」
そんなこんなで休み時間もやることが山積で、結局放課後も職員会議が入って、なかなか思うようには行かなかった。
E組のクラス運営も、担任として見てやらなきゃならないことがあったが、それは週明けにまわして…
テストは来週、突貫で作って…
受け持ってる委員会も英研も見てやんなきゃならないし…
最悪それも来週…っていつ時間が取れるんだろう。
ああ…時間が足りない。
俺がもうひとりほしい。
なんて思ったのは、大学時代のレポート提出前以来だった。