第5章 朔
「いいでしょ?保健室に登校して、相葉先生と大野捜索の打ち合わせできるし」
「おまえ、授業は…」
「必要あると思う?」
「…ぐう…」
正直、仁科は今やってる授業の領域を軽く超えてしまっていて…あまり強く言えなかった。
「それじゃいかん。俺がカリキュラム組むから、それはきちっとやるんだぞ?」
「はあい!なんか櫻井先生、先生っぽい!」
「先生だわ!」
それから奥のカウンセリングルームに移動して、昨日できなかった連絡先を交換した。
3人でLINEのグループを作って、連絡を取り合うことにした。
「そういえば、大野の連絡先は仁科は知らないのか?」
「んー…一回聞いたんだけどね。躱されちゃって…」
「そうか…」
「なんか事情あるのかなって思ってたから、無理やり聞かなかったんだよね…聞いときゃよかった…」
大野が見つかったら、お互い連絡先は消去する約束をした。
これは臨時の措置だからな。
あんまり生徒と先生が馴れ合ってはいけない。
「翔ちゃん、頭固い」
「ほんとクソ真面目」
「やかましいわ!」
仁科の暴行問題については、後日にさせてもらうことにして。
それから作戦会議の続きが始まった。