第5章 朔
学校長会議も、教頭がやたらと特進の3人を擁護して、話が進まなかった。
確かに成績優秀ではある。だけど、こんな事件を2回も起こしておいて、処分なしにはできないだろう。
担任である中島先生は終始、俯いていて擁護するような姿勢は示さなかった。
学校長は静かに話し合いを見ていたが、最後に出してきたのは、なんと特進3人の小会議室での会話を録音したものだった。
それは、澄岡さんが学校長に報告したものと、寸分違わず。
五関に反撃され腹が立って、仁科に喧嘩を売られたことにしようと示し合わせているものだった。
…澄岡さん、録音までしてたのか…
それを聞いて、教頭はぐうの音も出なくなって。
処分決定は理事の臨席も必要なことから、別の日に持ち越された。
学校長会議が終わってから、2年の学年主任に招集され、2年の担任でまた会議があった。
この問題での仁科と生徒たちへのフォローをどうするかということで学年主任から話があった。
仁科には明日、面談をして。希望があれば保健室登校の許可を出す。
他の生徒については、学校からの処分が決まってから、改めて伝達するということが決定された。
全て終わったのは、夜も22時を過ぎた頃だった。