• テキストサイズ

裸の月【気象系BL】

第4章 雨月


「だって…あいつら、だめだよ。もう」

あっけらかんと相葉先生は言い切った。

「前に停学なり、処分出しておけばよかったんだよ。なんにもなかったから、自分たちは特別なんだって勘違いしたんだよ」
「いや、それは…」

教頭が袖の下もらってたからだって、言いそうになったけど、仁科がいるからやめた。

「2回目は、ないでしょ」

そう言ってにっこり笑った。
仁科もうんうん頷いてる。

「で、大野くんのこと…」
「そうだよっ…先生!」
「ああ…いや、な…?」

思えば…大野が飛び出した時、なんで俺はあんなことを言ってしまったのか…

『…おまえがやったのか…?』

あんなこと、言わなきゃ…
大野はきっと家を飛び出していかなかったんじゃないか。

「俺がちゃんと、信じてやることができたら…」
「え?」
「大野は家を飛び出さなかったかもしれない」
「どういうこと…?」

エントランスで会った家政婦さんから、部屋にたどり着くまで、息子が酷い家庭内暴力を働くと聞いていた。
もちろん、信じたわけじゃない。
だけど、部屋のあの状況…それに母親を閉じ込めていたという事実…

一瞬…ほんの一瞬、疑ってしまったんだ。

もしかして、大野がやったんじゃないかって…

/ 330ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp