第4章 雨月
それからも、朝食を食べながら色々と話している。
まるで、俺たちなんて居なかったように…
和也さんはいつものことなのか、全然気にしていないようで。
パクパクと朝食を食べていっている。
そして一切、喋らない。
俺にも余計なことは喋るなって言ってたから、俺もなにも喋らなかったけど…
食べ終わると、今度は紅茶が出てきて。
それを飲み終わると、さっと和也さんは席を立った。
「…では、父さん」
「ああ…」
「いってらっしゃい」
「またな」
そう言って、和也さんに向かって軽く手を上げて見せた。
俺も軽くお辞儀すると、お父さんはまた手を上げた。
和也さんが部屋を出ていくから、慌てて後を追った。
母屋の玄関から出て車庫の部屋に帰ると、またモアっとタバコ臭い空気が襲ってきた。
和也さんはなんにも言わないで、バスルームに消えていった。
なんにもすることが無くなってしまった俺は、仕方ないから部屋の換気をすることにした。
カーテンを開けて、窓を開けて。
外の空気が入ってきて、いくらかタバコ臭い空気が緩和された気がした。
電灯の明かりじゃなく、陽の光の中でみた部屋は…酷く荒れて見えて。
「掃除…でも、すっか…」