第4章 雨月
次に目が覚めてリビングに行ったら、松本とお姉さんの姿はなかった。
みんな、学校とか行ったみたいで、誰も居なかった。
「んあー…誰も居ねえな…」
俺の後から起きてきた和也さんが、あくびをしながらリビングに入ってきた。
「メンドくせぇから、母屋に飯食いに行くか…」
そうぼそっと言うと、寝室に戻って着替え始めた。
俺は…朝飯どうしよう。
冷蔵庫の中のもの、なんか適当に食おうかな…
昨日の夜、食べたものが余ってたはずだから。
なんて思ってたら、和也さんが俺になんか投げつけてきた。
「えっ…な、なに…?」
「智はそれ着ろ」
「え?」
服…なんかきれいなコットンシャツとチノパン…
「ほら、早くしろよ」
慌てて着替えたら、今度は洗面所に引っ張られていった。
「寝癖ひでーな…」
俺も和也さんも頭が爆発したみたいになってて。
顔を洗って歯を磨いたら、寝癖を直された。
「んじゃ…今から母屋行くけど、余計なこと喋んなよ?」
「あ、はい…」
俺も…連れて行かれるらしい。
車庫の部屋から出て、砂利敷の庭を歩く。
正面に回ると白く大きな扉の玄関があって、そこから中に入る。
外国みたいな…
広くて洒落た空間が広がっていて、驚いた。