第4章 雨月
職員室に戻ると、ささっと忍者のように澄岡さんが近づいてきた。
「どうでしたか?澄岡さん」
「はい。仰るとおり小会議室の話を聞いておりましたが…」
どうやらこっそりと、あの3人の生徒の会話を聞いていたようだ。
「五関くん…どうやら殴り返したようなんです」
「えっ!?五関が…!?」
本当に…やったんだ、あいつ…
「それで腹が立って、なぜか止めに入った仁科くんを悪者に仕立て上げようと、そういうことみたいです…あいつはホモだから追い出してもいいって…」
「なるほど…」
教頭がオロオロと、中島先生と学校長の顔を見比べている。
「…彼らなら…そういうでしょう…」
ぼそりと中島先生は言うと、学校長に頭を下げた。
「申し訳ありません。僕の力不足です」
「先生が、謝ることはありません。私が話をしましょう」
「が、学校長がお話されるんですか!?」
教頭が慌てふためいた。
「わ、私が十分言って聞かせますので…」
「いえ…前回もそうして、結局彼らは同じことを繰り返しました。これは親御さんを呼んで、よくお話しなければなりませんね。教頭先生」
「そ、そんな…」
どうやら教頭はあいつらのほうに肩入れしているらしい。
親になんか貰ってるんだろうか…
賄賂とか…