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徒花まみれの心臓 ~企画~

第2章 アイ・ワズ・アイ


市丸隊長と藍染























私にとっては壮絶な、もう二度と引き受けないと誓った写真集の撮影も終わり、平穏な日々が訪れる。本当に、女性死神協会の玩具にされて大変だった。着せ替えと化粧はまだいい。あれはじっとしているだけで済むし、何ら害はないのだ。撮影は地獄だった。自分では表情を変えているつもりでも、彼女たち曰く私の顔には三種類しか表情がないらしく。デフォルト、と言われたいつもの微笑か、困ったような笑み。笑うなと言われたので笑みをなくしてみれば、怖いくらいの無表情だと言われ。このままでは話にならないからとポージングや表情の勉強がはじまり、ありとあらゆる雑誌を見せられては練習させられ、…これが本当に苦痛だった。その努力のおかげもあってか、彼女達の満足するような写真は何枚か撮れたらしく。精魂尽き果て灰と化した私を誰一人構うことなく退散していったのは記憶に新しい。…私の扱い、雑すぎひん?


「あ、市丸隊長!」


ふらりふらりと疲労に揺れながら、特集の記事が完成したから目を通してほしと連絡をくれた九番隊の隊舎へと向かっていると、鈴の音色のような可憐な声で呼び止められる。振り向くと、そこには藍染隊長と雛森チャンがいた。一見いつも通り穏やかな笑みを浮かべている藍染隊長だが、何やら不機嫌そうな空気を纏っている。チクチクとした視線を向けられたことに内心少し焦りながら、にこりと笑って彼らに挨拶をした。


「随分疲れているようだね。撮影はそんなに大変だったのかい?」


「あー、おちょくらんといてくれます?結構しんどかったんです、ほんま」


開口一番、写真集についての話題とは。ほんの悪戯心と意地で藍染隊長には何も報告していなかったが、それがまずかったのだろうか。それにしてもここまで「面白くない」という感情を表に出しているのは珍しいな、と思う。


「市丸隊長の写真集、すっっっっごくいい出来になってますよ!もうすぐ完成するので、発売を楽しみにしていてくださいね!」


「あ、事前に見せてはくれんのや…。嫌な予感しかせえへんなァ」


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