第2章 アイ・ワズ・アイ
おぬし結構面食いじゃのう。言いながら、夜一はいつの間にか俺から奪い取ったその雑誌をパラパラと捲る。じゃかァしい!と喚く俺の前で、夜一は付録としてその雑誌の最後の方に綴じられていた写真集を剥ぎ取った。ちらりと見えたその表紙には、『白蛇』というタイトルとともにとんでもない美女が映っていて。それが着飾った市丸なのだと認識するのに少し時間がかかって、一拍、夜一への悪態が遅れてしまう。
「あああああ何してんねん!俺まだそれ見てへんぞ!?っちゅーか、なんやそのけしからん表紙はァ!肌の露出多すぎや、アホちゃうか?!」
「感想がオッサン臭いのぅ」
「ええからおどれは黙ってそれ返せ!」
「はっはっは」
時を同じくして、自分にとって世界で一番憎いあの男も同じようなことを思って顔を顰めていたことなぞ露知らず、構って欲しがりなこの化け猫を追いかけるのだった。
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平子さんは結局写真集を見ることはできませんでした。
夜一さんの極秘入手ルートですが、実は一番隊から盗んだもの。
夜一さんの霊圧に似た猫がうろちょろしていることに気付いている総隊長が、盗みやすいようにわざと置いています。
総隊長なりの譲歩というかせめてもの罪滅ぼしというか。