第2章 アイ・ワズ・アイ
「今回の件だが、あの方の了承は得てるのか?」
「んー?何も言ってへんよ。びっくりさせたろ・思うて」
「まったく…知らないぞ、どうなっても」
はぁ、と溜め息を吐いて彼が困ったように言う。藍染隊長が私のことを特別可愛がっていることを、きっと誰よりもわかっているからこその反応だった。上手くやり過ごすつもりですけど、機嫌損ねたらそん時はよろしゅうお願いします、と。いけしゃあしゃあと言ってのける私に、じゃじゃ馬めと呆れたように笑ってくれる。
「発行責任者は隊長である私だ…その時は私もお叱りを受けるのだろうな。喰えない君のことだ、市丸。そこまで計算済みなんだろう?」
「さすが東仙サン、バレてもうた」
「……程々に頼むよ」
ここで私に怒らない東仙サンも、かなり私に甘いなぁと思う。藍染隊長の計画の邪魔になるようなことはするなと言外に釘を刺されたことを理解しつつ、そのままお喋りをしながら過ごすこと数刻。ノックの音と共に、慌ただしくお迎えがやってきた。東仙サンに暇を告げ、平隊士のその子に先導されるままにある一室へと着いて案内される。檜佐木クンの他に何人か隊士がいて、口々に丁寧な出迎えを受ける。
「お待たせしました市丸隊長。主に話を訊くのは俺なんで、他の隊士のことは気にしなくていいっスよ」
「ん、了解や」
「まず、今回の件ですが、引き受けてくださって本当にありがとうございます!砕蜂隊長にも伝えておきました。意外そうな顔をしてましたが、『あいつが引き受けたということは私も逃げられんだろうな』と言って、いずれ特集を組ませていただくことになりました」