第2章 アイ・ワズ・アイ
にこりと笑って、檜佐木クンと乱菊を見遣る。え、と固まった二人に、少しだけ胸のすく思いがした。先に我に返った檜佐木クンは勿論ですと元気よく言い、売上の何割はどうたらこうたらとお金の話を始めるけれど。そんなものはいらない。
「檜佐木クン、私な、現世の美味しい干し柿食べたいなァ?」
「も、勿論っス!ちゃんと高級で美味しい干し柿を用意します!」
「そら楽しみや。で、乱菊」
「な、なーに?私と愛美の仲じゃない!けちけちしないでよ!」
「乱菊は、…そやね、今日から三ヶ月。仕事サボるん、禁止な?」
これ以上日番谷クンに迷惑かけたらあかんよと笑いながら圧をかけると、最初は渋っていた乱菊もこくこくと頷いて了承してくれた。二人とも心なしか顔色が悪いけれど、そんなに今の私の笑った顔は恐かっただろうか。
「ほな、決まりやね。引き受けたからにはちゃんとやらせてもらうわ」
砕蜂チャンにもよろしゅう伝えといて。言って、イヅルを引き連れその場を去る。なるようになれ、ヤケクソだ。こうなったら、歴代一位の売上を目指してやる。インタビューで白哉クンや藍染隊長の誰も知らない話でもしてやろうか。ああそれから、砕蜂チャンや乱菊も巻き添えにしてやろう。写真集ではどうせ着せ替えやら化粧やら好き勝手にやられた挙句、表情やポーズまで細かく言われるに違いない。そうだ、写真集では、普段見せないような表情でもしてみよう。それを見た彼らの反応も見てみたい。次第にモチベーションが上がっていく。楽しみやなァ。くすりと微笑むと、三歩後ろでイヅルがびくりと肩を震わせた。