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徒花まみれの心臓 ~企画~

第1章 フー・アム・アイ


自分のことをどうするつもりなの


























似とるなぁ。


最初に抱いた印象は、己の幼少期と重なる部分があるな、というものだった。白髪にも銀髪にも見て取れる、色素の薄い髪の毛。神童と呼ばれ注目される日々。乱菊から聞く話によると、この子にも幼馴染のような存在がいるらしい。


似とるけど、眩しいなぁ。


置かれた環境は、驚くほど似通ったものであるのに。この子は闇さえ知らないような、真っすぐな目をしている。翡翠の瞳が美しいな、と思った。同時に覚える、その真っすぐすぎるが故の危うさも。生真面目で背負い込みそうな性分がありありと出ていて、これから苦労しそうな子だな、と。まあ、そこらへんは上手いこと乱菊がやるのだろう。


「これを以て新十番隊隊長・日番谷冬獅郎の新任の儀を終了とする!」


カァン。総隊長の杖が地面を鳴らし、ぞろぞろといつもの見知った面子が退室していく。ちっとも興味のなさそうな砕蜂チャンや涅サン、更木クン。挨拶を交わすなりさっさと職務に戻ろうとする卯ノ花サンや東仙サン、狛村サン。ちらりと白哉クンを見遣ると、何やら京楽サンに捉まって鬱陶しそうな雰囲気を醸し出していたから、放っておくことにした。新隊長の彼へと話しかけるのは、決まっていつもの二人。隊長格の中でも人望が厚いことで有名な浮竹サンと藍染サンだ。それを横目に、さあ私も退散するかと身を翻す。


「しかしまあ、幼い頃の君によく似ているじゃあないか、市丸隊長」


こっそりと退室しようと思っていた最中に、まったく悪意のない、けれど恐ろしく間の悪い声が、私を引き留める。


「…そうですやろか」


にこりと笑いながら振り返ると、浮竹サンがこちらへ来いと言わんばかりに私を手招いていた。その隣にいる彼の姿を見て、一瞬、戸惑う。私と藍染隊長はこれでもあまり仲がよろしくない設定なのだ。これでぎこちなさは演出できただろう。躊躇いをわざと見せ、そのまま浮竹サンの傍により藍染サンのことはちらりとも見なかった。と、自分よりも大分下から、鋭い視線が向けられる。新隊長の彼は、しっかりと私を警戒しているらしかった。


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