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徒花まみれの心臓【BLEACH】

第38章 もしも三番隊隊長に復帰したら




「……平子、隊長」


「せや、いろいろあって俺五番隊隊長に戻ったんや。俺とお前が同じ隊長て、なんや変な感じするけどな」


「……そっか、隊長に戻られはったんや、また此処で死神するんですね……でも、同じやあらしまへんよ、」


私はもう隊長ではない。その旨を伝えると、鼻で笑われた。


「何言うてん、お前は前も今も変わらず三番隊の隊長や。隊士達が首長ォして待っとるで」


「---そない都合の良い話があるわけあらへんやろ、裏切り者の隊長んこと誰が受け入れてくれるいうんですの?」


例えば護廷の死神全てが、私が総隊長の命令で藍染隊長の懐に潜り込んでいたのだという話を知っているとしても。裏切られた傷はそう簡単には塞がらない。殆どの死神は自分の目で見たわけではない。そんな状態で、私のことを隊長として受け入れられるはずがない。そも、私は隊長に戻る気がないのだ。私はその器ではないし、全ての死神達に顔向けできない。戻るべきではない。


「まーた小難しいこと考えとるやろ」


ばちんと音を立てデコピンをされる。


「お前の考えとることは分かる。他の誰よりも市丸、お前がお前自身を許せんのやろ。せやけどな、お前が思うてるより俺らはみんな心広いねん。お前のことなんざ恨んでへんし、とっくに許しとるわ」


「…隊長も、?」


「当たり前やボケ。俺らが恨んでんのは藍染ただ一人や。ほんでもって、ちょっとばかし総隊長か。…一番は、何にも気付けへんかった自分にやけどなァ」


ずっと板挟みにされて辛かったやろ、気付いてやれんですまんな。隊長は、私に謝る。


「誰にもバレんように隠してたんやから、気付かれはっても困ります」


それもそうかと笑う平子隊長に、胸が苦しくなる。こうして、また、私に笑顔を見せてくれる日が来るなんて夢みたいだ。こうして、また隊長として存在する彼を見れる日が来るなんて、とても信じられなくて。赦されたとは思わない。赦されて良いとも思わない。だけど、彼の瞳は私を受け入れるのだと雄弁に語っている。真摯に私に向き合ってくれる彼に、私もきちんと向き合うべきなのだ。ほんの少しの勇気を振り絞りながら、口角を上げる。笑みを貼りつける。


「…隊長、私に尋ねてはったよね、"どうしてあの夜、手が震えていたのか"って」


「…おん」


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