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徒花まみれの心臓【BLEACH】

第38章 もしも三番隊隊長に復帰したら


平子隊長とお話しました

















ふわりと花の香りがした気がした。ぽやっとする頭でゆっくり眼を開けて身体を起こす。此処は四番隊の、それも救護室の中でも一等隔離された部屋だ。どうしてこんな所にと思ったところで、全身から血の気が引く。(そうや、死ねんかったんや、)白哉クンに縋り付いて泣きじゃくった所までは覚えている、が、その後の記憶がない。これからどうしよう、と困っていると。ふわり、花の香りが鼻腔を掠める。そう言えばこの香りで起こされたのだったかと思い出しながら横を見ると、真紅の綺麗な花が飾ってあった。残念ながら花の知識には明るくない為、花の名前は分からなかった。綺麗な花ではあるが、些か病室には似合わないとも思う。誰が挿してくれたのだろう。花を見つめながら、まだ働かない頭でぽやぽやと考える。とりあえず、これからどうしたら良いのだろう。


「…---が---話---!」


「はや---…つ---ね!」


ふと、病室の外だろうか、話し声が聞こえた。もしかして此処に入ってくるのだろうか。まだ、誰かに会う心の準備が出来ていないというのに。寝たふりをするかどうするか、緊張から高鳴る鼓動を感じながら考える。…のだが、そっと開けられた扉から中に入ってきた人と目が合ってしまい、徒労に終わった。何も言葉が出ず、固まる。


「な、なんや、起きとったんかい」


入ってきたのは---隊首羽織を羽織った平子隊長だった。心臓が更に五月蝿くなる。何も、言えない。ただじっと凝視していると、気まずそうな顔をすっと真面目な顔に変えて、彼が私の元へ向かってきた。吐きそうだ。シーツをぎゅっと握る。


「…なんや便秘みたいな顔して。そない固くならんでもええやろ」


あ、いつもの怠そうな顔だ。少し肩の力が抜ける。それでも何も言えない私をどう判断したのか、彼は水の並々入ったコップを差し出した。大人しくそれを受け取り飲み干す。どうやら私は喉が渇いていたらしい。声を出してみる。掠れた音しか出ないそれを何度か調整し、やっといつものように声を発することが出来るようになった。待ってくれている彼を直視することができず、手元に視線を落としながら、そっと口を開く。


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