第37章 外伝
そうして、どれくらいの時間が経っただろうか。涙も枯れた頃、松本さんがその眼を真っ赤にして僕を呼びに来た。引っ張られるままに着いて行く。そこで僕は、枯れたはずの涙を、また溢れさせることになった。
「………っ、」
朽木隊長の腕の中。左上半身を無くし、息絶えている市丸隊長。グロテスクな身体と不釣り合いに、口元には弧が描かれていて。……涙が止まらない。
嗚呼---…誰にも見つからず、独りで、逝けたのですね。
市丸隊長の亡骸を前に、崩れ落ちる。貴女が、いつもの優しい顔で、微笑んで最期を迎えられたから。ぐしゃぐしゃな顔で、無理矢理、僕も笑ったのだった。
ぼくの耳はまだあの優しさを覚えている
(貴女が愛した三番隊を、これからは、僕が代わりに護っていきます。だからどうか…、安らかに眠って下さい)