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徒花まみれの心臓【BLEACH】

第35章 残照、やがて水没














胸を貫いたその刃から伝わるあの子の霊圧。刺し抜かれたのだと理解した瞬間、口から血が溢れ出る。


この子を愛しながらも、この優しい子がどのようにして私を殺そうとするのかに興味があった。私に情を覚えてしまったこの子が、どのような顔で私に噛み付くのかに興味があった。私を見つめるその顔は、泣きそうでありながらも、ひどく穏やかだった。


「……お互い、誤算、だったんですよね、」


「……」


「私が貴方に情を覚えてしまったんも、貴方が私を愛してしまったんも、」


そうだ。この子を引き連れたその時は、思いもしなかったのだ。私がこの子を愛してしまうなぞ、夢にも思わなかった。この子の全てが欲しいと思った。愛は人を狂わせる。私も例に漏れず、この子のおかげで狂ってしまった。
包まれる。愛美の白銀の髪が、私の血で赤く染まっていく。


「貴方の勝ちです、藍染隊長。貴方んこと、憎みきれんかった」


「…愛美」


抱きしめ返したその身体も、その体温も。慣れているはずなのに、いつだって私はこの子の温もりに安堵する。そうして語られる、この子の斬魄刀の本当の能力。身体の力が抜け、するりと腕の中から抜けていく愛美をそっと抱き留めながら、膝をつく。明らかに弱っているその姿に、この子が死んでしまうという恐怖を覚えた。


「私んこと、ほんまに愛してくれてるんやったら、お願いです、……一緒に死んでください」



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