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《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第50章 前方の敵





「怪我の事ではありませんよっ」
「気分か?
それは、最悪だな…」
それはそうだ、
瑠璃は崖から振り落とされた。
助けようと伸ばした手もまったく届かなかった。
生きているかもしれないが、下は流れの速い渓流。
流されれば一溜まりもないのは見るもの明らかだ。

それでも、

「俺はッッ」
探したかった。

それを阻止されたのだった。




政宗の大声に駆けつけた小十郎に
「政宗様!
何をなさるおつもりですか!」
「瑠璃が落とされたっ、
探しに行くに決まってるっ‼︎」
「駄目です!崖を下るのはともかく、
川に落ちたら一巻の終わりです!
あの速さでは貴方も流されてしまいます‼︎」
「小十郎ッ!」
「あの速さに落ちたなら、もう何処まで流されているかも判らない。
もうじき日も暮れ始めます。
今日は無理です…」
「じゃあ、明日があるのかよっ⁉︎」
こうして問答している間にも流されている。
死んでいるか生きているかもわからない状態で。
「明日も…ありません…」
落胆した様な小十郎の哀声。
「じゃぁ……」
「何処かで生きている事を祈るのみです…申し訳ございません…」
「お前はっ、そんなにっ…アイツが気に入らないのか⁉︎」
「政宗様っ。
その様なことはけっしてっ。
ですが…ここはどうか冷静に」
小十郎に静々と頭を下げられ、
政宗は渋々黙り、俯くしかなかった。








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