• テキストサイズ

《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第50章 前方の敵





「だからだ。
瑠璃を盾に、必ず出てくる!」
どこにそんな確証があるのか、
野生の感だとでも言うのだろうか。
けれども政宗は絶対を突き付ける。
「でも、もし、出てこなければ。
もし、瑠璃様を道連れにされたなら」
「その時は…、俺が中へ行く」
迷いなき覚悟の一言。


「⁉︎」
「だから、速く火を掛けろ」
家来は言葉を失くして、背を向けた。

(必ず助ける。だから、待ってろ)





きな臭い匂い。
火をかけられたと気付いた砦内はあっという間に統率を失う。
「火だ!」
「裏手からだ!」
「表へ逃げろっ!」
「表は包囲されてる!」
逃げても生きて出れる出口などない。

皆、絶望を知っている。
それでも、何とかしようと、荷車を足場に城壁をよじ登る兵士は、
頭ひとつ出た瞬間、多くの矢の的となり、再び内側に戻ってくる。

人形が落ちてくるように、ボトボトと…。


藁人形の頭に矢が刺さっているみたいに、
兵士はすぐに力尽きる。
命も尽きる。








/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp