第48章 戦前月喰らうーR18ー
「……」
瑠璃が黙って政宗を見ていると、政宗が言った。
「お前を抱けるのは今日が最後かもしれないんだ。
満足するまで抱かせろ」
政宗の言葉が現実を突きつける。
死ぬなんて思っていなくても、
最後だなんて思っていなくても、
その可能性は無きにしも非ずだ。
「俺は死なない。
でも、もしもの事は考えておけ」
その言葉がこの世の常識だった。
気遣いもない、それは綺麗事などはお互いを悲しませるだけだと思うから。
「解ってるよ…死ぬかも知れないなら、
私を全部喰べていって…」
「フッ…その心意気、良いな」
色気と勇雄全開の政宗の顔が落ちてきた。
噛み付くような口付けは顎から肩に降りて来て
「あっ!いっ、ん"ん"〜ぃっあっ…」
上腕肩に噛みつかれた。
瑠璃は痛みに政宗の軀を押そうと腕を上げるが、それも攫み遮られ狂暴な瞳に睨め付けられる。
「もっと声を上げても暴れても良いぜ。
俺に怯えるお前の姿も唆られる」
弱った獲物か敵を追い詰めるそんな興奮と快感。
美しく強い女が怯えに表情を滲ませる様子は政宗の加虐心に火をつける。
のしかかると残っている着物を剥ぐように取り去った。